Saint-Exupéryは海の底で何を思うか

星の王子さま」公式ホームページ http://www.lepetitprince.com/
新訳「星の王子さま」戦争 著作権切れ、各社から続々共同通信

 世界的なベストセラーで多くの人に愛読されている「星の王子さま」の著作権が1月下旬で切れたのを機に、唯一の日本語訳だった岩波書店版に加え、出版各社の新訳本が6月以降、次々と刊行されることになった。出版界では熱気を帯びた“星の王子さま戦争”が繰り広げられそうだ。

出版戦争がどうとか、作者サン=テグジュペリはそういうのは望まないと思うんですが・・・今まで岩波書店が寡占状態だったのも異常だったわけで。「星の王子さま」出版物一覧(岩波ブックサーチャー)によれば、訳者は「オリジナル版」が内藤濯氏で「絵本アレンジ版」が川口恵子氏。新訳の登場*1が、オリジナル版の価値を問い直す機会になるのかも知れない。
日本のライセンス会社によれば、

サン=テグジュペリの親族が『星の王子さま』の商業的使用を長年にわたり認めなかったが、その商業的使用を希望する声が世界的に高まりを見せ、一方では違法な無断使用も出現するようになった。そのため、1986年彼の親族は『星の王子さま』の商業的使用をその本来のイメージを損なわない場合にかぎり許可することになり、各国でその商業的使用のライセンスがスタート。日本では1987年、国内で唯一のライセンス管理を行なうため、株式会社セラムが代理店となり、現在に至っている。(“『星の王子さま』商品化の経緯”より要約)

ということらしい。日本では『星の王子さま』の商業使用ライセンスは一社に独占されているんだそうな。著作権が切れた1月下旬以降も、サン=テグジュペリのイラストなどはこの会社にお金を払わないと使えないらしい。いい商売なことだ。

*1:上のニュースソースによれば論創社から一作品出るらしいが、詳細は不明