乱暴すぎる

ABCのNEWSゆう(関西ローカル)でとんでもないニュースが。ラテを見てびっくりしたのでビデオに録画。なんとスポンサーのトップが『4つもオケあると金かかるから、1つにしてまえ』と口走ったんですって。ふざけるな。以下、ニュースの内容を。


大阪府にある4つのオーケストラ、大阪フィルハーモニー交響楽団大阪シンフォニカー交響楽団大阪センチュリー交響楽団関西フィルハーモニー管弦楽団が存続の危機にある。なんでも、「大阪の4つのオーケストラに、府や市、経済界が提供している資金は10億円を超えている。2008年度からは1本化して立派なオーケストラを作りたい」と関西経団連の秋山喜久会長が言ったらしい。
大阪フィルハーモニー交響楽団。3億円近い公的助成を受けている。累積赤字は2億円。
「かかる経費は、1日300万円。スポンサーから文化的な理解を得て寄付金・助成金をもらうというのが、世界的にオーケストラの構図になっている。」(事務局長)
関西フィルハーモニー管弦楽団。年間110回の公演、事業収入率80%。楽団員の平均年収は約250万円。
「あり得ないという気持ちと、そうなったらどうしようという気持ち。もし統合したオーケストラに入れなかった人はどうするのか。」(首席オーボエ奏者)
大阪センチュリー交響楽団*1大阪府から4億5000万円の助成を受けており(文化予算の4分の1)、収入の64%を占める。この額に府議が疑問を投げかけたんですってよ。
「行政の補助だけでは文化を支援しきれない。もっと努力して事業収入を増やしてほしい」だって(ろくでもねぇ)。
フランスではパリに6つのオーケストラがあり(国内で32)、オケの総運営費の80%が助成金。フランスは国家予算の1%が文化関係に当てられている。(日本は0.1%)
「待遇は良いと思います。ヨーロッパの中でもイギリスなどに比べるとはるかにフランスの方が良いです。」(在仏日本人楽団員)
「オーケストラは街のイメージです。文化の成熟度を象徴する存在です。パリ市の代表として音楽を通じて文化性を伝えていくことができます」(パリ室内管弦楽団事務局長)
メセナ(芸術文化支援)には、長期的な視野で知名度を高めるために取り組むつもりです。ただ単に経済的なこと、お金の問題ではないのです」(コンサルタント会社Euro Groupメセナ担当)
ちなみに、大阪府は財政難で、文化振興の基金が4年後には底をつく予定。人口880万人で4つのオケを支えきれないことになる。
まあ、その前が「薔薇の展覧会のために靫公園から追い出したホームレスは、今、他の公園に行ってる」てなニュースですから、金使うべきところは他にあるんだからという意見があるのかも知れんけど、それとこれとは別だと思う。こういう口実で潰したら、二度とオーケストラは戻らないと思うし、1つ残ったやつも赤字を口実に潰されてしまう。だいたい、
「4つのオーケストラを1つにしたら立派なオーケストラが安く作れる」
という発想がおかしい。そういう魂胆で客が来ると思うのか。現にインタビューを受けていた客は「聴きに行こうとは思うけど、統合したからといって特に魅力が起こるわけではない」と答えていた。その通りですよ。あと、オケが4つから1つになったら演奏機会が4分の1に減るわけで、さらに魅力が損なわれることでしょう。
とか言ってても、潰す時はつぶすんやろうなー。金ないのは確かだし。今のうちに演奏会聴きに行くか*2。さびしいけど。あーあ。

*1:ホームは、大阪府文化振興財団が提供している施設

*2:こうは書いたが、実は上記4オケの演奏会に行ったことがないのです